デジタルパソロジーセンター

ごあいさつ

センター長 鈴木先生
センター長 鈴木貴

 デジタルパソロジーセンター(旧テレパソロジーセンター)は、東北大学病院病理部を拠点として遠隔地の病院との間で主に遠隔病理診断を行う部門として、2015年10月に東北大学病院がんセンター内に設置されました。初代センター長は渡辺みか先生、2代センター長は2020年10月より藤島史喜先生が務めました。そして2024年4月から3代センター長として病理部の鈴木貴が引き継ぎます。どうぞよろしくお願いします。

 日本において病理医は医師の1%未満と慢性的に不足しています。このような状況でもいかに病理検査の質を維持し高めるかは、病理にとって長らくの大テーマです。その解決策の一つとして登場したのが遠隔病理診断で、病理画像を遠方に伝送して病理診断するものです。1992年の日本病理学会総会で東北大学が中心となった実証実験が注目を集め、その後保険診療化され、全国に普及するようになりました。

 病理医不足は地方で顕著で、我々の東北地方では中核病院でも病理医がいない場合が少なくありません。手術中に術式や切除範囲を決めるため、術中迅速診断が行われますが、病理医がいなければ実施できません。この問題を克服するために、デジタルパソロジーセンターでは東北各地の病院とネットワークを形成し、積極的に遠隔病理診断による術中迅速診断をおこなっています。東北大学における遠隔病理診断は30年以上にわたる日本屈指の実績を有し、地域医療に大きく貢献しています。

 近年、病理組織標本を丸ごとデジタル画像化する技術(WSI: whole slide imaging)が普及し、デジタルパソロジーが急激な発展をみせています。社会の高度情報化と相まって、遠隔病理診断が容易となる一方、今後は拠点病院間の診断コンサルテーションの促進、大規模病理データの集積、病理診断支援AI(人工知能)等が期待されています。当デジタルルパソロジーセンターでは、遠隔病理診断以外にも、他の診療科や社会からの様々な要望・期待に少しでも応えられるよう、デジタルパソロジーを率先して牽引し、次世代の病理を築いていきたいと思っております。


<主な活動内容>
・術中迅速診断を主体とした遠隔病理診断
・大学病院と拠点病院の連結による稀少症例、診断困難症例についての検討会
・研究会・学会等において、円滑に病理画像を閲覧できるシステムの提供
・デジタルパソロジーの推進による、病理医の負担軽減と次世代病理医の育成
・病理情報の積極的なデジタル化と共有・集積
・学生実習への利用
・AI導入の推進

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