(当院・他院を問わず)各診療科の外来にて通院治療中の患者さんが緩和ケアを必要とした場合は、緩和ケア外来も併診いただくことで、がんそのものへの治療を受け続けながら様々な辛さに対処することが可能です。その際には、がんによる痛みなどの身体症状の他にも、化学療法をはじめとしたがん治療による痛みやしびれ、悪心への症状緩和を行います。また、「認定・専門看護師によるがん看護外来」や「地域連携室」、「がん相談室」などと強く連携しています。
病気や生活に関する情報提供や様々な不安に対する相談やカウンセリングを、希望に応じて受けていただくことができます。
1) 医師による緩和ケア外来
緩和医療科 外来スケジュール
URL
http://www.kanwa.med.tohoku.ac.jp/patient/schedule.html
2) がん看護外来
がん看護では、がん患者さんやご家族の、苦痛や療養上の不安に対して一緒に考え安心して治療や生活を送ることができるように、専門の看護師がサポートさせていただいています。
外来日:
月~金 曜日 9:00~16:00〔予約制〕
担当看護師:
緩和ケア認定看護師、がん看護専門看護師
予約:
緩和ケアセンタ- 022-717-7768(直通)
(受付時間:月曜~金曜日 9:00~17:00) ※日祝日・年末年始を除く
場所 :各診療科外来診察室、または緩和ケアセンター
(混雑状況で別室になります)
※ 状況に応じて、がん患者指導管理料が発生する場合があります
当院の各診療科の病棟に入院して何らかの治療を継続中の患者さんが抱える様々な辛さは、サポーティブケアチームが往診することで対応します。
医師、看護師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカーなどいくつかの専門職が協力しあいながら、患者さんが抱える様々なお悩みについて、各種専門家が知恵を出し合って苦痛を和らげるように「チーム医療」を実践します。
平成28年度からは、「苦痛のスクリーニング」を院内全体で開始しました。主治医が患者さんの辛さに気づかない場合や、患者さんが遠慮して主治医に辛さを訴えない場合もあると思われます。当院に受診している全てのがん患者さんにおいて、スクリーニングを実施し、辛さを有する患者さんに対して迅速にサポーティブケアチームが対応するように体制を整えています。
身体症状の緩和を担当する医師
精神症状の緩和を担当する医師
緩和ケアの経験を有する専従看護師
緩和ケアの経験を有する薬剤師
メディカルソーシャルワーカー
理学療法士
管理栄養士
当院の緩和ケア病棟は2000 年に国立大学病院としては全国に先駆けて開設されました。ここではがんの進行に伴う諸症状によりご自宅での療養が困難となった患者さんに対して、症状を緩和し、患者さんがその人らしく過ごせるよう支援しています。患者さんのお話に耳を傾け、つらい症状を和らげるとともに、穏やかな入院生活が送れるようにお手伝いをし、病を抱えながら過ごす患者さんとそのご家族が快適に過ごせるような環境作りを心掛けています。
病院の最上階の17階にあり、素晴らしい眺望は見る人にやすらぎを与えてくれます。22床の病室はすべて個室で、無料個室が12床、有料個室が10床あります。病棟では面会時間内で、ご家族と穏やかな時間を過ごすことができます。ボランティアにより病棟内が四季折々に彩られ、ティーサービスなどを受けることも可能です。また、病棟内には開放的なラウンジ、キッチン、寝たままでも入れる介助浴室、和風の家族室などがあります。症状がやわらいだら、外出や外泊、退院することも可能です。
※面会については新型コロナウイルス感染症の流行状況により対応が異なりますので、その都度ご確認ください。
1) 入院のための手続き
患者さんご本人、あるいはご家族に緩和医療科外来を受診していただき、入棟同意書、および主治医からの入棟申込書(情報提供書)を提出して頂きます。受診は月~金の完全予約制になっています。後日開催される会議で入院が決定されれば、入院日をお知らせします。
緩和医療科外来受診時に、 患者とそれを支える方(主に家族)による入棟同意書、主治医による入棟申込用情報提供書、および患者に関する十分な医療情報が提出されていることが必要になります。
※ 【入棟申込用情報提供書/入棟同意書A・B】
入院に際して、ご希望を詳しくお尋ねするための書類を提出していただきます。
■入棟申込用情報提供書
ダウンロード → PDF形式
※ご紹介下さる医師.に、ご記入・提出していただきます。
■入棟同意書A・B
ダウンロード → PDF形式
※Aは患者さんご本人に、Bはご家族の方にご記入いただきます。
緩和医療科外来にお越しになった時に、説明の上お渡し致します。
2) 入棟基準
① 治癒が不可能と判断された進行がん患者で、疼痛その他の身体的苦痛や精神的苦痛に対して専門的な緩和ケアが必要と判断される状態であること。
② 患者とそれを支える者(主に家族)のいずれもが、緩和ケア病棟での療養を希望していること。
③ 緩和ケア病棟においては、手術や抗癌剤など身体に負担がかかる(患者の苦痛を増す)治療は行わないことや、心肺停止時に無為な延命措置は行わないことを十分理解していること。
3)入院費用について
出費としては、医療費および食費の一部負担金と雑費代がかかります。また、有料個室(いわゆる差額ベッド:1日あたり約9,000円 令和7年2月現在)があります。なお、医療費の計算方法は一般の病棟と異なり、検査や処置、ケアの内容にかかわらず入院1日あたり一定の費用がかかりますが、健康保険や高額医療費助成制度を利用することができます。詳しいことに関しては、医療そうだん窓口にご相談下さい。
4) 退院
緩和ケア病棟を必要とされる多くの方々に利用していただくために、病状が安定している 場合には、緩和ケア病棟入院1か月を目安に、在宅療養もしくは転院をお願いしております。その場合は、在宅療養や転院に向けた相談・準備等をお手伝いさせていただきます。
大学病院は研究・教育機関でもあるため、患者さんの症状改善や問題点の解決を通じて得られた様々な結果を、緩和医療の発展を目指す研究や教育のために利用させていただくことがあります。また、今後の医療を担っていく研修生や実習生がスタッフとともに関与させていただくこともあります。ご理解とご協力を何卒よろしくお願いします。
5) 病棟紹介
VIDEO
6) 機関紙 「七つ森」
「七つ森」は緩和ケア病棟開設とともに発行された手作りの冊子です。緩和ケアの変遷と緩和ケアに関わった思いを綴りながら部数を重ねています。
七ツ森はこちらからご覧ください。