先進包括的がん医療推進室

東北大学病院先進包括的がん医療推進室のご紹介:あいさつにかえて

先進包括的がん医療推進室長 森 隆弘
先進包括的がん医療推進室長
森 隆弘

このたび東北大学病院(がんセンター)に先進包括的がん医療推進室が設立されました。本推進室を東北大学病院に設置することで、臨床試験や遺伝子診断などの最新の診断技術の提供、患者会・がん相談・緩和医療の体制を全県下に整備することを目的としています(図1)。これは厚生労働省補助金による宮城県の地域医療再生計画による事業です。

1.  拠点病院空白2次医療圏の解消:これは下記の3にも関連するものであり、また、本推進室の中長期的な目標のひとつです。これには「がん専門医療人」育成とも密接に関連するため、本学が中心となり新たに採択された「東北がんプロフェッショナル養成推進プラン」に協力して事業を進める方針です。 2.  先進がん治療法の開発と全県域への普及、そのための臨床試験の推進・普及のためのネットワーク作り。本事業は包括的がん医療推進室の中心のひとつとなる事業です。新規がん治療法の開発についての研究や臨床試験を行っています。(事業例。図3、食道癌での遺伝子変異に基づく治療法・診断法の開発研究 3.  地域がん診療拠点病院とのネットワーク形成:本事業の目標は人的・知的ネットワークづくり(特に人材の交流と専門医療人の教育)です。具体的には地域中核病院間のキャンサーボードの開催、専門医療人の人材交流、などです。これは上記の1にも関連します。 4.  患者会の連携強化と、がん医療相談体制の充実、緩和医療の充実:県全域での患者会、がん相談室へのアクセスを可能とすることを目標とします。院内の緩和医療の担当者、がん診療相談室や地域連携センターと協力しながら事業を進めています。
以上のように、本推進室の事業には「がん診療」に関連する臨床科や基礎研究分野のみならず、東北がんプロフェッショナル養成推進プラン、地域医療連携センター、がん診療相談室などと有機的に連携し事業を進める必要があります。今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

宮城県版がん情報ポータルサイト「がん情報みやぎ」がオープンしました

東北大学病院がんセンター先進包括的がん医療推進室は、県内初となるがんに関連する情報を集約した宮城県版がん情報ポータルサイト「がん情報みやぎ」を公開しました。
本ウェブサイトは、県内のがんに関連した医療施設やがん相談支援センター、また、療養生活を支援する患者会・サロンや訪問看護ステーション等に関する包括的な情報を提供しています。がんの患者と家族が、本ウェブサイトを通して適切な情報を入手・活用し、自分らしい生活のあり方を自分たちで選択することを応援します。

がん情報みやぎ
がん情報みやぎURL : http://cancer-miyagi.jp/

アンケートご協力への御礼

現在、先進包括的がん医療推進室では、宮城県医師会の先生方を対象とした「がん地域医療連携に関するアンケート調査」を行っております。回答に時間のかかる、分量の多いアンケートであるのにもかかわらず、お忙しい会員の先生方からご丁寧なご返信をいただき、心より御礼申し上げます。
今後アンケートの集計を行い、結果につきまして還元したいと考えております。また集計が終わり次第、ご同意をいただきました先生のもとを順次取材に伺いたいと存じます。
その際はまたご協力下さいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
また、結果について医師会報に掲載していただきました。(宮城県医師会報 2014年1月号通巻816号53ページ)

アンケート結果をかかりつけ医マップとして公開しました。

推進室の役割について

図1 東北大学先進包括的がん医療推進室の概要

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① 拠点病院空白2次医療圏の解消へ

がんに関わる専門医療職の育成に関しては、東北がんプロフェッショナル養成推進プランと連携・協力します。専門医療職を育成し充足させることにより、全県下に標準的がん医療を普及することを目指します。

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② 先進がん治療法の開発と全県域への普及、
そのための臨床試験の推進・普及のためのネットワーク作り

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③ 地域がん診療拠点病院とのネットワーク形成

1.地域がん診療拠点病院とのネットワーク形成:
宮城県は7つの二次医療圏(気仙沼、登米、栗原、石巻、大崎、仙台、仙南)に分かれており、がん診療連携拠点病院(以下拠点病院)が7病院指定されています。これらの拠点病院のうち5病院は仙台医療圏に、残りは石巻医療圏、大崎医療圏にそれぞれ1病院ずつとその配置には偏りがあります。その他の4つの二次医療圏(気仙沼、登米、栗原、仙南)には拠点病院がありません。これらの拠点病院空白二次医療圏と、拠点病院とのネットワークを強化することで、空白二次医療圏の患者さんにも拠点病院で行われている専門的がん医療を受けやすくすることを目指しています。

2. 地域中核病院間のキャンサーボードの開催:
キャンサーボードとは、内科、外科、放射線科、臨床腫瘍医、病理診断医など立場の異なる専門職種が集まり、一人のがん患者さんに対して最も適切な治療方針について意見を交換し、検討する会議です。キャンサーボードの定期的開催は拠点病院の指定要件となっています。しかし、すべての地域中核病院にすべての専門家が常駐しているわけではありません。そこで、拠点病院とのオンラインのネットワーク構築などの方法を用いて、地域中核病院でも多職種で検討することが出来るようなキャンサーボードのシステムを整備します。

3. 専門医療人の人材交流:
勉強会の開催、人材派遣などを積極的に支援し拠点病院と地域中核病院の間の人材交流を促進させます。これにより、拠点病院における専門的がん医療の知識を地域中核病院に伝搬します。患者会、がん相談室、在宅緩和医療などの担当者とも交流を行い、がん患者を多角的に支援するための連携を構築します。

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④ 患者会の連携強化と、がん医療相談体制の充実、緩和医療の充実

1. 患者会支援
患者様が互いの悩みを共有し、支え合うことのできる患者会を後押しします
  ・ 宮城県内の患者会の情報提供
  ・ 患者会立ち上げ・運営・継続支援
  ・ 宮城県患者・家族の集いの実施

2. がん相談室
患者様の相談を担うがん相談室と専門職スタッフを応援します
  ・ 宮城県内のがん相談室の情報提供
  ・ 県内のがん相談支援センターや地域連携センター等との連携

3. 緩和ケア
からだやこころの苦痛をやわらげる緩和ケアの提供を支援します
  ・ 宮城県内の緩和ケアの情報提供
  ・ 地域緩和ケアネットワーク未整備地域への支援
  ・ 緩和ケアにかかわる専門職スタッフ支援

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お知らせ

●地域みんなでつくる緩和ケア提供体制に関する研修会
平成26年1月31日(金)13:30~16:00
ホテルモントレ仙台3F「翠鳴館」
●「がん医療講演会」(主催:東北大学病院がんセンター先進包括的がん医療推進室)
【登米圏域】(会場:ホテルニューグランヴィア)
第4回 平成26年2月7日(金) 宮城県立がんセンター 相談支援センター がん看護専門看護師 松田芳美 先生
テーマ:「がん相談・情報提供」
演題:「患者と家族の日常を支える相談支援の役割」
(詳細はこちら

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がん相談支援センター

 がん相談支援センターは、主にがん診療連携拠点病院に設置されており、がんの病気や治療、療養生活について、医療福祉関係の資格を持つ相談員が情報探しのお手伝いをしたり、患者様やご家族様の相談にお応えする機関です。相談支援センターの存在については、広く認知されていない現状があり、残念ながら、がんの患者様やご家族様に十分に活用されていないことが全国的な課題として報告されています。
 そこで、本推進室では、宮城県の皆様にがん相談支援センターを活用していただけるように、がん相談支援センターの周知ポスターと携帯用カードを作成いたしました。ポスターとカードは、県内の病院、行政機関、居宅介護支援事業所等に配布させていただきました。
 がんの患者様とご家族様に、必要な時に気兼ねなく相談窓口を活用していただけますよう、ぜひポスターと携帯カードをご活用いただけますようにお願い申し上げます。
がん相談支援センター
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ニュースレター『COP通信』

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がん情報みやぎ「かかりつけ医マップ」クリニック訪問記

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関連データ

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お問い合わせ

東北大学病院がんセンター先進包括的がん医療推進室
TEL  022-717-8885
FAX  022-717-8886
EMAIL cancercenter@hosp.tohoku.ac.jp

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