デジタルパソロジーセンター

ごあいさつ

センター長 藤島史喜
センター長 藤島史喜

デジタルパソロジーセンターは、2015年10月に「テレパソロジーセンター」として東北大学病院がんセンター内に東北大学病院病理部を拠点として遠隔地の病院との間で主に遠隔病理診断を行う部門として設置されました。初代センター長には渡辺みか先生が着任され、令和2年10月から病理部の藤島史喜が引き継ぎました。

テレパソロジー(telepathology: 遠隔病理診断)とは、画像を中心とした病理情報を電子化し、種々の情報回線を通じて他地点に伝送し、空間的に離れた2地点、または多地点間で、狭義には病理組織や細胞診の診断およびコンサルテーションを、広義には診断のみならず、教育、研修、学会活動など、病理の諸活動を行うことをいい、既に法律的に認められた医療行為となっています。一方、時代の流れとともに用語の変遷があり、診療報酬点数表上では平成30年診療報酬改定から「テレパソロジー」という用語が「保健医療機関間のデジタル病理画像」という文言に置換されました。また「テレパソロジー研究会」も「デジタルパソロジー研究会」に名称が変わっています。

東北大学における遠隔病理診断は1994年より25年以上にわたって行われており、日本屈指の業績を誇っています。日本では病理専門医が不足しており、特に東北地方では中規模以上の病院においても病理医不在であることが少なくありません。手術中に術式や切除範囲を決めるため、術中迅速診断が行われますが、病理医がいなければ実施することができません。そこで標本は自施設で作製し、whole slide imaging (WSI)を用いて標本のデータを病理部に送ってもらい、大学で診断する、ということを行っています。現在、県内では石巻赤十字病院、気仙沼市立病院、石巻市立病院、栗原中央病院、大崎市民病院、東北公済病院、県外では十和田市立病院とネットワークがつながっており、おもに術中迅速診断を実施しています。

Whole slide imaging (WSI)が一般的になる以前は、遠隔病理診断を行うことはある意味特別なことでしたが、昨今のWSIの急速な広がり、通信技術の発達により、遠隔地でデジタル化された病理標本をみることは全く特別なことではなくなりました。
今後益々ネットワークを介した繋がりが広がると予想されますので、デジタルパソロジーセンターを活用し、大学病理部を中心として病理画像を含む情報通信ネットワークを構成し、様々な場面で活用していきたいと考えています。

<主な活動内容>
・術中迅速診断を主体とした遠隔病理診断
・大学病院と拠点病院の連結による稀少症例、診断困難症例について検討会の実施
・研究会・学会等において、円滑に病理画像を閲覧できるシステムの提供
・学生実習への利用

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