センター長あいさつ

ごあいさつ


東北大学病院
がんセンター長 神宮 啓一

 東北大学病院は平成18年度に全国の大学病院に先駆けて都道府県がん診療連携拠点病院に指定されました。この指定に伴い当院にがんセンターが設置され、化学療法センター、緩和ケアチーム、がん診療相談室、がん登録室などのがんセンターの組織をはじめ、関連診療科や部署が協力して拠点病院の機能強化に努めてきました。以来、東北地方のがん医療に中心的な医療機関として、最新医療の普及、医療従事者の養成、高度がん医療の推進と提供、院内がん登録の推進、がんの臨床試験の推進などに貢献しています。現在、当がんセンターには7センターと5室が設置され診療科横断的、職種横断的で質の高いがん診療を提供しています。
 平成24年6月にわが国の第2期がん対策推進基本計画が策定され、がん患者の就労の問題、小児がん対策、がんの教育・普及啓発が新たに計画に盛り込まれました。この国の基本計画の改訂に伴い第2期宮城県がん対策推進計画が平成25年3月に策定され、東北大学病院は都道府県がん診療連携拠点病院としての機能強化を進めてきました。とりわけ、がん医療従事者の養成を含め宮城県内の地域がん医療水準の向上や地域がん医療連携に関する本院への期待は大きく、平成24~27年度には宮城県医療再生事業により当センターに先進包括的がん医療推進室を設置し、県内の地域がん医療の実態調査と多職種による医療・介護連携のセミナーを地方開催いたしてきました。現在、先進包括的がん医療推進室の機能を平成25年度に医学系研究科に設置された地域がん医療推進センターに移し、平成28年度以降も継続して地域がん医療の推進に取り組んでいます。また、平成24年度には全国に初めて15カ所指定された小児がん診療拠点病院の1つに指定され、当センターに平成26年度に小児腫瘍センターを設置しました。
 平成25年4月には放射線治療の品質管理や治療計画をサポートする医学物理士の寄属する医学物理室を放射線治療科から独立した部門として新たに設置しました。
 平成26年1月10日、厚生労働省健康局長通知「がん診療提供体制の整備に関して」では、がん診療連携拠点病院の在り方について新たな指針(新指針)が示され、その中で、都道府県がん診療連携拠点病院における一層の診療機能強化が求められています。当センターは、宮城県がん診療連携協議会の各部会が推進するPDCAサイクルを取り入れ、診療提供体制の向上を図っています。また、新指針に沿って、当院では平成27年以降、緩和ケアセンター、高精度適応放射線治療センター、口腔健康管理センター、テレパソロジーセンター、令和元年5月には、頭頸部腫瘍センターを新たに設置しました。
 さらに、当院は平成30年2月に厚生労働省「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定され、平成30年に新たに院内に設置された個別化医療センターと協力し、がんゲノム医療連携病院5病院、がんゲノム医療拠点病院3病院と共に、東北6県、新潟県並びに埼玉県におけるがんゲノム医療の推進とその普及・啓発に精力的に取り組んでいます。
 年々進歩する最新のがん治療を患者に優しく安全に提供するために、第1~3期がん対策推進基本計画に基づく宮城県がん対策推進計画に対応し様々な課題に取り組んで来ました。さらに、この第1~3期がん対策推進基本計画に対応する文部科学省のいわゆるがんプロ補助金事業により、平成19年度から15年間にわたりがん医療従事者の養成に取り組んで来ました。平成29年度にスタートした第3期がんプロ事業の東北次世代がんプロ養成プランは令和3年度で終了、この間、連携4大学(本学、山形大学、福島県立医科大学、新潟大学)でこの地域の多くのがん医療従事者を養成しました。
 令和5年4月にはテレパソロジーセンターの名称をデジタルパソロジーセンターに変更しました。
 なお、令和4年6月には、国のがん対策推進協議会で第3期がん対策推進基本計画の中間評価が報告され、この中間評価を基に第4期がん対策推進基本計画が策定されるとともに、当院が指定を受けているがん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院およびがんゲノム医療中核拠点病院の指定要件の見直しが行われ、令和5年3月28日に第4期がん対策推進基本計画が閣議決定されました。当院は、これらの指定要件に対応し更に高度な機能を備える病院を目指し、地域のがん患者に質の高いがん医療を速やかに提供できる体制を構築します。


歴代センター長


平成18年10月1日~平成23年3月31日
山田 章吾



平成23年4月1日~平成24年3月31日
大内 憲明



平成24年4月1日~令和5年3月31日
石岡 千加史




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