癌化学療法名:乳癌トラスツズマブ・エムタンシン(T-DM1)療法
プロトコールに関する解説:
乳癌T-DM1(一般名:トラスツズマブ‐エムタンシン, 商品名:カドサイラ)療法は、日本での保険適応はHER2陽性の「手術不能」または「再発」乳癌症例で、使用上の注意としてトラスツズマブ及びタキサン系薬剤の治療歴がある患者への投与とされている。投与量は1回3.6mg/kg(体重)を3週間間隔で承認されている。
T-DM1は抗HER2抗体であるトラスツズマブとチューブリン重合阻害剤DM1を結合させた抗体薬物複合体である。HER2陽性腫瘍細胞に結合し、トラスツズマブによる抗腫瘍効果とともに細胞内に取り込まれたDM1による細胞障害活性で、腫瘍細胞の増殖を抑制する。海外・本邦のデータでは、奏効率は約40%、無増悪生存期間は6-9か月と報告されている。
T-DM1の有害事象として、血小板減少症、過敏症・Infusion reaction、心機能障害、肝機能障害、間質性肺炎などが挙げられる。
適応外使用 : 無
審査日(2014年 7
月
28日)
申 請 日 : 2014年 6
月 20
日
改 定 日 : 20--年 --月 --日
登録確認日 : 20--年 --月 --日
登録削除日 : 20--年 --月 --日
改 定 日 : 20--年 --月 --日
登録確認日 : 20--年 --月 --日
登録削除日 : 20--年 --月 --日
診療科1 | 乳腺・内分泌外科 |
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診療科2 | |
診療科3 | |
診療科4 |
プロトコール名 | 略名 | 1クールの日数 | ||
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乳癌トラスツズマブ・エムタンシン(T-DM1)療法 | T-DM1 | 21日 | ||
適応病名 | 乳癌 | 所要時間 | 100分 | |
実施部署 | ■外来 ■病棟 | 放射線療法 | なし | |
適応分類 | ■進行・再発 | |||
適応時表示コメント | あり | 添付資料 | なし | |
番号 | 抗癌剤名・略号 | 1日投与量 | 投与法 | 投与日(d1,d8等) |
1 | トラスツズマブ・エムタンシン(カドサイラ)・T-DM1 | 3.6 mg / kg | div | d1 |
臨床使用分類 |
治療:(エビデンスレベル・2 エビデンスに関する基準 |
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エビデンス |
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ガイドライン文献名 | NCCN ガイドライン 2014 ver.1. 乳癌診療ガイドライン 治療編 2013年度版 Sunil Verma, et al. Trastuzumab Emtansine for HER2-Positive advanced Breast Cancer, N Engl J Med. 367(19) : 1783-91, 2012. |
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その他 (減量・増量規定など) |
T-DM1は初回投与で infusion reaction 関連症状がなければ、次回より投与時間を90分から30分に短縮できる。 |
投与日 | 薬品名 | 投与経路 (ルート等) |
投与時間 |
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day 1 | ①生食50mL(プライミング用) | 点滴静注 | 5分 |
②トラスツズマブ・エムタンシン 3.6mg/kg +生食250mL | 点滴静注 | 90分 | |
初回投与で infusion reaction 関連症状がなければ、 | |||
2回目以降、投与時間を30分に短縮できる。 | |||
インラインフィルターを用いて投与する | |||
③生食50mL(フラッシュ用) | 点滴静注 | 5分 |
※赤字は抗癌剤
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調製方法:160mgを注射用水8mL、100mgを注射用水5mLに溶いて20mg/mLにした後、必要量を抜き取る。
照射併用時照射線量
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