治療内容

癌化学療法名:卵巣癌 TC+Bevacizumab療法

プロトコールに関する解説:
本療法は進行卵巣癌症例が対象である。GOG218試験において、ベバシズマブを使用しない群と比較してPFSの有意な延長が認められたため、ベバシズマブの使用が卵巣癌に対しても適応が拡大された。抗悪性腫瘍剤としては、本邦初の国際共同医師主導治験による薬事承認である。添付文書ではGOG218試験にのっとり、試験結果を理解した上での使用を呼びかけている。使用上の注意としてⅢ期以上の症例に対して、TC(またはDC)療法との併用で開始すること。術後4週間は投与をさけるため(創傷治癒遅延)、1コース目はTC(またはDC)単独で行い2コース目からベバシズマブの併用を開始する。TC療法終了後もベバシズマブ単独で維持療法を継続する。本剤の継続投与しない場合の有効性は確認されていない。早期症例、再発例に対する臨床試験の結果が出始めているので、徐々に対象の拡大もされる可能性はあるが、特有の有害事象(高血圧、蛋白尿、創傷治癒の遷延、消化管穿孔)に留意し、慎重に投与するべきである。

危険度 :  高
適応外使用 :  無
審査日(2014 03 31日)
申 請 日  : 20-- -- --
改 定 日  : 20-- -- --
登録確認日 : 20-- -- --
登録削除日 : 20-- -- --
診療科1 婦人科
診療科2  
診療科3  
診療科4  
プロトコール名 略名 1クールの日数
卵巣癌 TC+Bevacizumab療法 TC-B 21日
適応病名 卵巣癌 所要時間 370分  
実施部署 ■外来   ■病棟    放射線療法 なし  
適応分類 ■進行・再発   ■術後補助
適応時表示コメント あり 添付資料 あり(■その他)
番号 抗癌剤名・略号 1日投与量 投与法 投与日(d1,d8等)
1 パクリタキセル(タキソール)・T 175mg/㎡ div d1
2 カルボプラチン(パラプラチン)・C AUC6 div d1
3 ベバシズマブ・Bev 15mg/㎡ div d1(2クール目以降)
臨床使用分類 治療:(エビデンスレベル・2    エビデンスに関する基準
エビデンス
  • ■文献   ■その他 (添付文書)
ガイドライン文献名
その他
(減量・増量規定など)
 
1クールの日数:21日癌化学療法処方
癌化学療法名:卵巣癌TC+Bevacizumab療法
投与日 薬品名 投与経路
(ルート等)
投与時間
day1 ① 生食100mL +パロノセトロン0.75mg 点滴静注 30分
(1クール目)   点滴開始と同時にジフェンヒドラミン塩酸塩錠10mgを5錠内服
  ② デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム13.2mg + 生食20mL静注 静脈注射  
    ①開始直後に側注
  ③ ファモチジン20mg+ 生食20mL 静脈注射  
    ①開始直後に側注
  ④ 5%ブドウ糖500mL +パクリタキセル175mg/m2 点滴静注 180分
    インラインフィルターを用いて投与する
  ⑤ 生食250 mL +カルボプラチン(AUC=6) 点滴静注 60分
  ⑥ 生食50mL(フラッシュ用) 点滴静注 5分
   
day1 ① 生食100mL +パロノセトロン0.75mg 点滴注射 30分
(2クール目以降)   点滴開始と同時にジフェンヒドラミン塩酸塩錠10mgを5錠内服
② デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム13.2mg + 生食20mL静注 静脈注射  
    ①開始直後に側注
  ③ ファモチジン20mg+ 生食20mL 静脈注射  
    ①開始直後に側注
  ④ 5%ブドウ糖500mL +パクリタキセル175mg/m2 点滴注射 180分
    インラインフィルターを用いて投与する
  ⑤ 生食250 mL +カルボプラチン(AUC=6) 点滴注射 60分
  ⑥ 生食50mL(フラッシュ用) 点滴注射 5分
  ⑦ ベバシズマブ15mg/kg+生食100ml 点滴注射 90分
    ベバシズマブ初回は90分、2回目60分、3回目以降30分で投与可
  ⑧ 生食50mL(フラッシュ用) 点滴注射 5分

※赤字は抗癌剤

コメント

パクリタキセル内服30分前までに、ジフェンヒドラミン錠50mg内服。
卵巣癌TC+Bev療法の初回はベバシズマブなし。2回目以降に
ベバシズマブを投与する。

照射併用時照射線量

コメント無し

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