治療内容

癌化学療法名:乳癌トラスツズマブ単独療法

プロトコールに関する解説:
乳癌トラスツズマブ単独毎週療法は、進行・再発症例を対象とした治療法である。初回投与は4mg/kg div、以降2mg/kg divを週1回投与としている。
トラスツズマブ(ハーセプチン)は、HER2 (human epidermal growth factor receptor type 2)過剰発現が確認された乳癌に対する抗HER2ヒト化モノクローナル抗体である。IHC法でHER2タンパク3+の過剰発現またはFISH法でHER2遺伝子が増幅している乳癌患者のみが対象となる(乳癌患者の約20〜30%)。
 トラスツズマブ単独投与でも効果は期待できるが、他の薬剤との併用によって効果が増強される。併用薬剤としてはタキサン系薬剤(ドセタキセル、パクリタキセル)が第一選択であるが、ビノレルビンやカペシタビン、TS-1、CPT11なども使用される。
 有害事象として心毒性、infusion reactionがある。心毒性に対しては投与前・投与中の心エコーによる心機能評価を行い、アンスラサイクリン系薬剤との併用を避ける必要がある。初回投与後の発熱反応(発熱、悪寒、戦慄など)を中心としたアレルギー反応をinfusion reactionといい、稀にショック状態となることがあるため、入院での初回投与が推奨される。
(平成20年3月26日)

適応外使用 :  無
審査日(20 06 03 06日)
申 請 日  : 2006 02 17
改 定 日  : 20-- -- --
登録確認日 : 20-- -- --
登録削除日 : 20-- -- --
診療科1 乳腺・内分泌外科
診療科2  
診療科3  
診療科4  
プロトコール名 略名 1クールの日数
乳癌トラスツズマブ単独療法 Herceptin 28日
適応病名 乳癌 所要時間 90分  
実施部署 ■外来   ■病棟    放射線療法 なし  
適応分類 ■進行・再発   
適応時表示コメント あり 添付資料 なし
番号 抗癌剤名・略号 1日投与量 投与法 投与日(d1,d8等)
1 トラスツズマブ 2 mg / kg div d1,d8, d15, d22
臨床使用分類 治療:(エビデンスレベル・2    エビデンスに関する基準
エビデンス
  • ■ガイドライン   
  • ■文献   
ガイドライン文献名 乳癌診療ガイドライン                      JCO 20 (3): 719-726, 2002
その他
(減量・増量規定など)
基本的にはトラスツズマブは化学療法との併用とするが、副作用等で継続困難な場合は単独投与とする。なお、ガイドラインでは単独療法も最高ランク A で推奨されている。
1クールの日数:28日癌化学療法処方
癌化学療法名:乳癌トラスツズマブ単独療法
投与日 薬品名 投与経路
(ルート等)
投与時間
day1 トラスツズマブ2mg/kg+生食250mL   90分
       

※赤字は抗癌剤

コメント

トラスツズマブは初回導入時のみ、4mg / kg で投与し、以後は2mg / kg で投与。
HER2陽性例で投与不能になるまで継続

照射併用時照射線量

コメント無し

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