治療内容

癌化学療法処方

1クールの日数:21日癌化学療法名:乳癌ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル療法
プロトコールに関する解説:
 転移・再発乳癌でHER2という蛋白質が陽性の方に行う治療です。ドセタキセル(タキソテール)という抗癌剤とトラスツズマブ(ハーセプチン)という抗HER2薬に加え、別の作用を持った抗HER2薬であるペルツズマブ(パージェタ)を追加投与することで、より優れた治療となることが大規模な臨床試験の結果で明らかとなりました。点滴は3週間に1回投与です。副作用としてハーセプチンには心臓への毒性がありますので、心臓に疾患を持っている方への投与は慎重に行う必要があります。またパージェタを併用しても心毒性の増加は認めませんが、皮疹、下痢の頻度がやや増加しました。タキソテールにはアレルギー症状、脱毛、むくみ、末梢神経障害などがあります。


放射線治療:なし
投与日 薬品名
day 1 ①生食50mL
  プライミング用
  ペルツズマブ 420mg / body +生食250mL
  ペルツズマブ初回導入時は840mg/body
  初回導入時のみ60分で投与し、2回目以降問題なければ30分で投与可。
  ③生食50mL
  フラッシュ用
  トラスツズマブ 6mg / kg +生食250mL
  トラスツズマブ初回導入時は8mg/kg
  初回導入時のみ90分で投与し、2回目以降問題なければ30分で投与可。
  ⑤生食50mL
  フラッシュ用
  ⑥グラニセトロン塩酸塩3mg+ デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム6.6mg+生食50mL
  ドセタキセル 75mg/m2+5% ブドウ糖 250mL
  ⑧生食50mL
  フラッシュ用
   

※赤字は抗癌剤

コメント

ペルツズマブ、トラスツズマブ、ドセタキセル 3剤とも21日を1クールとする。
吐き気止めとしてHT3-antagonistやデカドロンを入れる。
ペルツズマブは初回導入時のみ、840mg / body で投与し、以後は420mg / body で投与。トラスツズマブは初回導入時のみ、8mg / kg で投与し、以後は6mg / kg で投与。ペルツズマブ、トラスツズマブともに、初回治療にてアレルギー症状がなければ投与時間の短縮が認めれている。

病名項目に戻る